ＡＣＬ败退危机の広岛、森崎浩は救世主になれるか
スポーツナビ - 2010/3/30 11:31  
   昨年の今ごろ、森崎浩司はオーバートレーニング症候群に苦しみ、寝たきりの生活を余仪なくされていた。当时、双子の兄・和幸に「浩司はいつごろ复帰できるだろうか？」と闻くと、彼は沈痛な表情で「家族として言えるのは、普通の生活ができるようになってほしいということ。复帰など考えられない」とポツリ。兄のこの言叶だけで、そのときの弟の深刻な状况が理解できた。
   あれから１年、森崎浩司は复活の途上にある。昨年１１月２１日の名古屋グランパス戦で约１年ぶりに复帰したものの、１２月５日の京都サンガ戦で左ひざを负伤。必死のリハビリにより、今季の宫崎一次キャンプで合流したが、今度は１月２１日の练习试合（浦和レッズ戦）で右足を负伤する。それでも彼は、何度も何度も袭ってくる不运に耐え、强い気持ちで自分を信じてリハビリを続け、练习を重ねた。
「（森崎）浩司は今季、复活に向けての长い闘いの日々が続く。そしてそれは、わたしの闘いでもある」と语るペトロヴィッチ监督の支えもあり、少しずつ、少しずつ、広岛が夸るレフティーは复调への阶段を上っていった。
   Ｊ１第２节のヴィッセル神戸戦、森崎浩は抜群に精度の高いＦＫから中岛浩司のゴールをアシストすると、彼のプレーの质は急角度で上升していった。第３节の湘南ベルマーレ戦では広い视野を生かして右サイドから飞び込んだ山岸智に绝妙のダイレクトスルーパス。ＡＦＣチャンピオンズリーグ（ＡＣＬ）のアデレード・ユナイテッド戦では锐い弾道のプレースキックから２点に络み、现在、公式戦３试合连続でアシストを决めている。
「本当は前半のＦＫも入っていた。それほどいい弾道だったのに、相手の壁（１９７センチのコーンスウェイト）が高すぎた（苦笑）。Ｊなら、きっと决まっていたのに（笑）」と彼らしい阳気な、それでいて强気なコメントも出てくるようになった。
   ３０日に行われるＡＣＬ第４节、広岛はストヤノフを出场停止で欠き、槙野智章も右足の违和感により欠场が浓厚。青山敏弘、ミキッチ、高萩洋次郎、盛田刚平を加えれば、主力６人が不在の状况で、広岛は现在３连胜中のアデレード・Ｕと対戦しなければならない。ペトロヴィッチ监督はストヤノフの代役として中岛を、また槙野の代わりは横竹翔を指名するものと见られている。となると、これまでボランチを努めていた中岛を最终ラインに下げることで、中盘の底に谁を起用するかが问题となる。
   その有力候补は森崎浩と高柳一诚。前日练习の后、「森崎兄弟のボランチは？」という记者の质问に対し「それはいいアイデアだ。考えもしなかった」とペトロヴィッチ监督はけむに巻き、森崎浩も「ボランチもトップ下も、监督にとっては同じでしょう」と笑った。ただ、どういうポジションにあっても、森崎浩は自分のプレーだけに集中する。
「それが、结果としてチームのためになる。それに、カズ（森崎和幸）が后ろにいて、仆を动かしてくれるから」。これまで２９年间、ずっと一绪に歩き、共に成长し、谁よりも自分の苦しみ、悩みを理解してくれる兄のサポートを受け、森崎浩はＡＣＬ败退の危机に陥ったチームを救うために、左足を振るう。