放课后――数人の女子だけが残った教室で、志保は校庭に目を落としている。放课后の女子高生は、何者にも负けないパワーをみなぎらせている、と感じながら。喧騒を逃れるため、ベランダに出た。ボールを蹴る音や指示を出し合う声が、より立体的に闻こえてくる。サッカー部は红白戦をやっているようだった。志保はゼッケンを着けた方のチームに、新一を発见した。颜が见えるわけではないが、敌の间をぬってドリブルする动きやパスさばきは、新一のそれそのものだ。どうして彼の动きが分かるんだろう……そう考えかけた时、教室とベランダを结ぶ扉がガラガラッと音を立てた。「あー、风が気持ちいいねー!」绮丽な漆黒の黒髪が、缓やかになびいた。「あ!今シュート决めたの、新一だよね!」志保と1メートルほど距离をおいた位置で、ベランダの栅から身を乗り出して、兰が嬉しそうに言った。続いて、両手を口のわきに添えて、よく通る声で叫んだ。「新一ぃ!ナイッシュー!!」そのハツラツとした様に、志保は小さく笑ってしまう。すると兰は、少し照れ臭そうに笑い返してきた。「どうして工藤君だって分かったの?」「えっ…?」一瞬惊いて目を见开いたが、兰はすぐに笑颜に戻って手すりに両肘を载せた。頬杖を付いて、校庭に目を走らせる。「だって、あいつ目立つでしょ?自分が好きなことをやってる时の新一って、堂々としてて、キラキラ辉いてるんだもん……!」志保は目を闭じて、兰の言叶を反すうしてみた。――だって、あいつ目立つでしょ?――「なるほどね……」言叶が口をついて出た。辉いているかどうかはともかく…そんな抽象的なことじゃなく…、事実として新一は目立っているのだ。兰と同様、自分にも新一の姿がハッキリと认识出来るのは、そういうことだったのか。そう思うと、志保は頬が缓むのを抑えられなかった。実际、もう一人の目立つ人物――金髪のセンターFW・比护の动きも、志保には彼がすぐ傍にいるかのように见てとれる。「宫野さんも、私と同じなんだね」わざと前髪を垂らして表情を隠していた志保の、反応が遅れた。しかし兰はそれには构わず、さっさと手すりから身体を离した。制服の袖にわずかに着いた鉄さびを、手で軽く叩き落とす。「じゃあ、私も部活行くね」「ええ……」“ピッ・ピッ・ピーーー!”长いホイッスルが鸣り、选手たちはクールダウンに入った。志保も自分の日常へと戻るべく、教室への扉に手をかけた。<END>